ほいくのひと手帖

No.11

鹿児島市の保活

鹿児島市「待機児童ゼロ」なのに、1歳児は入りにくい?

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CHAPTER 01

鹿児島市「待機児童ゼロ」なのに、1歳児は入りにくい?

「待機児童ゼロ」でも、希望する園の1歳児クラスに入れるとは限りません。公表上の待機児童と、その園に申込みをして入れなかった人数は、同じ数字ではないからです。

1歳児クラスは、0歳から通う子どもの進級で、新しく入れる枠が少ないこともあります。数字だけで安心したり焦ったりせず、希望園の枠とほかの選択肢を一緒に確認しましょう。

1歳児クラスの定員には、0歳児から進級する子と新しく受け入れる枠があることを示す図解。実際の募集人数は在園児数や受入体制などで変わります。

1|「待機児童ゼロ」=希望園に入れる、ではありません

まず知っておきたいのが、「待機児童」と「利用保留児童」は同じ数字ではないということです。

鹿児島市が公表している令和8年4月1日時点の待機児童数は0人。
一方で、利用保留児童は225人でした。

「0人なのに、225人?」と驚きますよね。

利用保留児童は、保育所等へ申し込んだものの、利用に至らなかった子どもを含む数字です。
そこから国の基準により、育児休業中の方や、特定の園だけを希望している方などを除いて数えたものが待機児童です。

つまり、「待機児童ゼロ」は大切な成果ですが、「申し込めば、希望する園へ必ず入れる」という意味ではありません。

この2つを分けて見ると、鹿児島市の保活の状況がぐっと分かりやすくなります!

2|1歳児クラスの枠は、すでに埋まっていることがあります

「0歳児クラスには入れたのに、どうして1歳児クラスは入りにくいの?」

その大きな理由が、0歳児クラスからの持ち上がりです。
多くの保育施設では、0歳児クラスに在籍している子どもが、翌年度も同じ園の1歳児クラスへ進級します。

たとえば、翌年度の1歳児クラスが12人定員でも、0歳児クラスから10人が進級すれば、新しく入れるのは残り2人ほど。
定員が12人あっても、12人を新しく募集するわけではないのです。

もちろん、実際の募集人数は、園の定員や在園児数、退園・転園、職員配置などによって変わります。

園見学では、「今年の1歳児クラスは、何人くらい新しく入りましたか?」と聞いてみてください。
募集枠のイメージが、ぐっとつかみやすくなります!

3|育休復帰の申込みも、1歳の春に集まります

育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取得できる制度です。
一定の要件を満たせば、1歳6か月や2歳まで延長できます。

そのため、「子どもが1歳になった春に職場へ復帰したい」と考え、1歳児クラスへ申し込む家庭が多くなります。

持ち上がりで新規枠が少ないところへ、同じ時期に申込みが集まる。
この2つが重なるため、1歳児クラスは入りにくくなるのです。

ただ、育休の取り方や復帰したい時期は、家庭によって違って当然です。
周りに合わせて急ぐ必要はありません。
勤務先の制度と、家族がどんな時間を大切にしたいかを一緒に考えてみてください。

4|1歳児は、選べる施設も限られます

3歳以降になると、保育所や認定こども園に加えて、幼稚園も選択肢に入りやすくなります。

一方、1歳児を日常的に預けられる施設は、認可保育所、認定こども園、小規模保育事業所、認可外保育施設などが中心。
3歳以降と比べると、選べる施設の種類が限られます。

さらに、通える範囲、開所時間、保育料などの条件を重ねると、「ここなら通えそう」と思える園が少なくなることもあります。

だからこそ、施設の種類だけで決めず、毎日の送り迎えや、子どもが園でどのように過ごすかまで見てみることが大切です。

5|0歳4月入園や小規模保育も、一緒に考えてみましょう

1歳児クラスの申込みが集中しやすいことを知り、「0歳の4月から申し込んだほうがいいのかな」と考える方もいます。

0歳4月入園は、1歳児クラスより新規募集枠が多い園もあるため、一つの選択肢です。
ただし、入園しやすさだけで決めなくて大丈夫。
子どもと過ごしたい期間や育休からの復帰時期、家族の暮らしも同じくらい大切です。

また、小規模保育事業所は、主に0〜2歳児を少人数で保育する施設です。
認可保育所だけでなく、小規模保育も一緒に見学してみると、「こんな園もいいな」と思える場所に出会えるかもしれません。

小規模保育を検討するときは、「3歳児クラスからは、どの施設へ進む方が多いですか?」と聞いておきましょう。
卒園後のイメージまで持てると、選びやすくなります!

6|数字だけで安心したり、焦ったりしなくて大丈夫です

「待機児童ゼロ」と聞いて安心した後で、希望園に入れないかもしれないと知ると、不安になりますよね。

でも、仕組みを知った今だからこそ、できる準備があります!

  • 通える範囲の園を複数見学する

  • 1歳児クラスの新規募集枠の傾向を聞く

  • 小規模保育や認可外保育施設も含めて考える

  • 鹿児島市が公表する空き状況を確認する

  • 家庭で譲れない条件と、広げられる条件を整理する

希望園を増やすことだけが正解ではありません。
毎日の送り迎えや、園で過ごす子どもの姿を想像しながら、家族が無理なく通える選択肢を考えてみてください。

早めに知っておくだけでも、保活の進め方は変わります!

今回のまとめ

  • 鹿児島市は令和6〜8年度まで3年連続で待機児童0人

  • 令和8年度は、利用保留児童が225人いる

  • 待機児童0人でも、希望する園に必ず入れるとは限らない

  • 1歳児クラスは、0歳児からの持ち上がりで新規枠が少なくなりやすい

  • 育休復帰の申込みも1歳の春に重なりやすい

  • 0歳4月入園、小規模保育、複数園の見学などを家庭に合わせて考える

元担当者のひとこと

窓口でも、「待機児童ゼロと聞いたので、入れると思っていました」という声は少なくありませんでした。

数字が間違っているわけではありません。
ただ、待機児童という数字だけでは、一人ひとりの希望園や年齢ごとの入りやすさまでは見えにくいのです。

1歳児クラスを考えている方は、まず通える園をいくつか見てみてください。
そして、分からないことは園や鹿児島市へ聞いてみましょう。

「もっと早く知っておけばよかった」と焦らなくても大丈夫です。
知ったときから、できる準備を一つずつ始めていけば大丈夫です!

募集状況や制度は、年度や園によって変わります。
申込みの前には、鹿児島市の最新の利用申込案内と空き状況も確認しておきましょう。

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公式情報・確認先

制度や申込日程、施設の状況は変更される場合があります。
利用するときは、最新の公式情報と個別の案内をご確認ください。

情報確認日:2026年8月29日

この記事を書いた人

上木寿人(ほいくのひと運営)

元鹿児島市役所職員。約20年勤務し、そのうち約5年間は保育行政を担当しました。
保育園の入所事務、保活相談、不適切保育対応、保育施設との調整などに携わった経験をもとに、制度と実際の選択肢を分かりやすく整理しています。

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